pipipipikopiko’s blog

名古屋のプロダクトデザイナーのブログ。

個人的なデザインにおけるモチベーションの話

私はよく誤解される。

Q「何のデザインがやりたい?」
A「どの分野がやりたいとかは別にない」

Q「どういうデザインがしたい?」
A「どうしたいとかはない。そういうものじゃない」

Q「自分の作品には自分の色を出していきたくない?」
A「作品じゃない。そういう姿勢は如何かと」

日頃、こういった挑発的ともとれる言動ばかりしているためか同業者にすらドライだ、冷めてると言われがちである。
‪しかしデザインをすることは人一倍好きなのだ。
だから余計に周囲の人には理解できないらしい。
私自身、どう説明すればいいのかわからなかった。

「デザインが好き」といってもその要素は多岐にわたり、モチベーションは人それぞれである。
工作が好き、絵を描くのが好き、カッコイイ形が好き、自己表現、お客さんや同僚とのコミュニケーションが好き、肩書きへの憧れ、などなど…
これらは非常にわかりやすい例で、だいたい世間の認識とも一致している。
しかし私にとってこれらは必要条件かもしれないが、十分条件ではない。
モチベーションの芯の部分は別にある。
私のマインドは、ひとつは起業家に近いのではないかと最近感じている。
徹底的にビジネス目線であり、成功=利益を出すことと目的は一致している。
しかしながら、お金がモチベーションなわけではない。
社会にウケることが最高に面白いのである。‬
そこには、人間の心理や行動原理、物理、経済、これらの簡単に答えの出せない事柄から予想を立て、見事的中させるゲーム性もあれば、
単純に人と共感できる喜びもある。
だから、対象の分野にはとくに拘らない。
自分の我を反映させるのは、自然と導き出される「良いデザイン=ビジネス的成功」を歪めてしまうのでそれも私の望むことではないのである。
ちなみに、自分の色=作風というのは自然と滲み出てしまうものではないかと思っている。
人にはそれぞれの人生観や哲学があり、それを通してしか社会と対峙できない。
だから、どんなに多岐にわたる仕事を手がけていても徹底的に情熱をもってやったものならば、並べてみるとその人の人格や価値観が浮き立ってくるのではないかと思う。